第30章 複合関係詞
疑問詞に-everまたは-soeverを添えて、驚きや強調を表す言い方があることはすでに述べましたが、関係詞にも-(so)everをつけた言い方があります。これはwhatと同じように先行詞と関係詞とを兼ねたもので、これを複合関係詞と言い、複合関係代名詞、複合関係形容詞、複合関係副詞の3種があります。
複合関係代名詞には不定的用法と譲歩的用法の2つがあります。
- 不定的用法:「だれでも~の人」(whoever)、「どちらも~のもの」(whichever)、「どれでも~のこと」(whatever)の意味として。
Whoever (=Anyone who) enters without permission will be punished.
(無断立入り者はだれでも処罰されます)
These rights belong to whoever’s (=anyone whose) name is on the membership list.
(これらの権利はだれであれ会員名簿に載っている名前の人のものである)
You may give it to who(m)ever (=anyone whom) you know.
(君は知っている人なら誰にでもそれをあげてよろしい)
【注】この場合口語ではwhomeverの代わりにwhoeverを用いることができますが、次の場合にはその前にtoがあってもwhomeverは使えません。
You may give it to whoever (=anyone who) wants it.
(欲しい人には誰でもあげてよい)
You may take whichever (=anything which; either that) you like.
(どちらでも好きなものを取ってよろしい)
We can trust whatever (=anything that) he says.
(彼の言うことならなんでも信じられる) - 譲歩的用法:「たとえだれが〔何が、どちらが〕~でも」の意味で、主文に対して譲歩的な副詞節の働きをします。またこの用法はno matter who〔what、which〕~の形になおすことができます。
Whoever (=No matter who) said it, it is not true.
(そう言った人がたとえだれであろうと、それは真実ではない)
His conduct cannot be forgiven, whoever’s son
(=no matter whose son) he is.
(彼がだれの息子であろうと、その行為は許せない)
Whomever (=No matter whom) I asked, I could not discover his address.
(だれに尋ねても、彼の居所はわかるはずがなかった)
Whatever (=No matter what) happens, he will be faithful to his duties.
(たとえ何が起きようと、彼は職務に忠実であろう)
Whichever (=No matter which) you choose, make sure it’s a good one.
(どちらをとろうと、よい品物であることを確かめてくださいよ)