第17章 助動詞の用法
needは本動詞と助動詞の2つの働きがあります。本動詞としては、一般の他動詞と同じように、次に目的語として(代)名詞やtoつき不定詞を伴いますが、助動詞の場合は次に原形動詞を伴い、否定文と疑問文に用いられます。
- 本動詞として:「~を必要とする」「~する必要がある」
She needs you〔your help〕. (彼女はきみ〔きみの援助〕を必要としている)
I needed to hurry back. (私は急いで帰る必要があった)
Does she need to come soon? (彼女はすぐ来る必要がありますか)
You don’t need to work any longer today.
(あなたは今日はこれ以上働く必要はない) - 助動詞として
否定文・疑問文に用いますが、3人称単数現在でも語尾に-sはつけず、またdo〔does、did〕も必要としません。- 「need not + 原形動詞」:「~するにはおよばない」
この意味ではdo not have toも用いられ、その肯定にはmustが用いられます。
He need not (=doesn’t have to) do it, if he doesn’t want to.
(彼はもしそうしたくなければしなくてもよい)
“Must I come here again tomorrow?” “No, you need not (come).”
( 「明日またここに来なければなりませんか」「いいえ、それにはおよびません」) - 「need not have + 過去分詞」:「~するにはおよばなかったのに(それなのにしてしまった)」
You need not have consulted him at all.
(きみは彼に相談する必要は全くなかったのに)
[注]これに対し本動詞のneedを用いて、did not need to~の形にすると「必要がなかった(のでしなかった)」の意味になります。
I need not have done it.
(そんなことをする必要はなかった ―― でもしてしまった)
I did not need to do it.
(そんなことをする必要はなかった ―― だからしなかった) - 「need + 主語 + 動詞・・・?」:「~する必要があるのか」
“Need I go with you?” “Yes, I am afraid you must.”
( 「私もお伴する必要がありますか」「ええ、そうしていただかなければならないでしょう」)
“Need I leave so early?” “No, you needn’t.”
( 「そんなに早く出かける必要がありますか」「いいえ、その必要はありませんよ」) - 間接話法・時制の一致とneed
助動詞としてのneedには過去形はないので、間接話法およびそれに類した文の主節の動詞が過去形になっていても、needはそのままの形で従節の中で用いられます。
He told her that she need not take the trouble.
(=He said to her, “You need not take the trouble.”)
(彼は彼女にそんなに骨を折る必要はないと言った)
- 「need not + 原形動詞」:「~するにはおよばない」