好評連載コラム 実務翻訳のススメ

32-3 従位接続詞

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第32章 接続詞

 

 

従位接続詞は従属節の先頭に置いて、それを主節に連結する働きをする接続詞で、1. 名詞節を導くものと、2. 副詞節を導くものとがあります。

  1. 名詞節を導く接続詞
    名詞節は名詞のように文の主語・補語・目的語として、あるいは同格語として用いられ、これを導く接続詞にはthat(~のこと)、if(~かどうか)、whether~(or)・・・(~か・・・か)などがあります。
    That he is a specialist in electronics is certain.
    (=It is certain that he is a specialist in electronics.)
    (彼が電子工学の専門家であることはたしかである)
    〔主 語〕
    The most awkward thing is that the director knows the whole story. 〔補 語〕
    (いちばんまずいことは、話が完全に重役に知られてしまうことだ) 〔目的語〕
    He said (that) he would join the party of tourists.
    (彼は視察団に参加するつもりだったと言った)
    〔同格語〕
    He came to the conclusion that he was in the wrong.
    (彼は自分が悪いという結論に達した)
    〔主 語〕
    It is doubtful whetherif〕they are still alive.
    (彼らがまだ生きているかどうかは不明である)
    〔目的語〕
    I don’t know whetherif〕he is at home or not
    whetherif〕or not he is at home. 

    【注1】目的格のthatは、文全体が短い場合や、主語の動詞がsay、think、believe、suppose、knowなどの場合(とくに口語では)しばしば省略されます。ただしthat節が2つある場合には、前のthatは省略できてもあとのほうの接続詞は省略しません。
    I believe (that) he is right and that nobody can doubt it.
    (私は、彼が正当であり、また誰もそれを疑いうる者はないと思う)
    【注2】ifとwhetherはともに「~かどうか」で意味は同じですが、ifは口語で、whetherは文語で好まれる傾向があります。ただし目的節を導く場合には、副詞節を導くif(~ならば)と区別するために口語でもwhetherのほうが好まれることがあります。
  2. 副詞節を導く接続詞
    副詞節を導く接続詞には、時・原因・目的・結果・条件・譲歩・比較・様態などを表すものがあります。
    1. 時を表すもの
      これには、when、while、as(しながら)、till〔until〕、before、after、since、as〔so〕long as(するかぎりは)、as soon as〔no sooner~than/scarcely〔hardly〕~before〔when〕〕(するやいなや)などがあります。
      Call me up when(ever) you have anything to tell me.
      (私に話したいことがあれば(いつでも)呼び出してください)
      While I stayed in America, I adopted the American way of life.
      (アメリカ滞在中は、私はアメリカ流の生き方を採り入れた)
      A good idea occurred to me as I was speaking.
      (話をしているうちに良い考えが浮かんだ)
      Will you wait here till〔until〕I come back?
      (私が帰ってくるまでここで待っていてくれませんか)
      $$
      \begin{cases}
      \text{He arrived after the conference started.} \\
      \text{(会議が始まってから、彼は着いた)} \\
      \text{The conference started before he arrived.} \\
      \text{(彼が着く前に、会議は始まった)}
      \end{cases}
      $$
      He has lived here in Kyoto (ever) since he was born.
      (彼は生まれてこのかた(ずっと)ここ京都に住んでいる)
      You can stay here as〔so〕long as you want to.
      (居たいだけ(いつまでも)ここにいてよろしい)
      $$
      \begin{cases}
      \text{As soon as the plane took off, a strong wind began to blow.} \\
      \text{No sooner had the plane taken off than a strong wind began to blow.} \\
      \text{Scarcely (Hardly) had the plane taken off before (when) a strong wind began to blow.}\\
      \text{飛行機が離陸するかしないかに強い風が吹き出した.}\\
      \end{cases}
      $$ 
      【注1】日本語の「~すると、~していると」に相当する英語にはwhen、while、asなどがありますが、大まかに言ってwhenは「~するときに(してから)」の意味でほぼ同時を、whileは「~している間に」で継続を、そしてasは「~しながら、~するにつれて」で付帯状況をそれぞれ表すものと考えてよいでしょう。
      【注2】tillとuntilは同義語で、「~まで(ずっと)」の意味を表しますが、untilはより重々しく、形式ばった感じで、tillのほうが口語的です。また文頭にはuntilがよく用いられ、tillは文中に用いられる傾向があります。
      Until he told me, I had no idea of it.
      (彼から聞かされるまでは、そんなことは思いもつかなかった)
      【注3】日本語の「~するやいなや」に相当する英語はas soon as~が最も一般的な言い方です。no sooner~thanはas soon as~に比べて意味が強く、形式ばった言い方です。そしてさらに意味の強いのがscarcely〔hardly〕~before〔when〕です。
      as soon as~以外を用いた場合には、上例のようにその節の動詞は過去完了時制を用います。
      なお上の例文ではscarcelyやhardlyを文頭に置き、助動詞のhadを主語の前に出す倒置がなされていますが、これは文語体の形式ばった言い方です。ふつうの日常文では、
      The plane had no sooner taken off than・・・
      hardly〔scarcely〕taken off when〔before〕・・・

      の表現が用いられますが、次のような口語表現もあります。
      Directly〔The moment / The instant〕the plane took off, a strong wind began to blow.
    2. 原因・理由を表すもの
      これにはbecause(なんとなれば~なので)、since(~からには)、as(~だから)などがあります。
      The car crashed because the driver was careless.
      (運転者が不注意だったので、車はぺちゃんこになった)
      Since he is absent, we have to do the work.
      (彼が(いま)いないので、我々がその仕事をしなければならない)
      As I had a lot of work to do, I remained in the office after the usual hours.
      (しなければならない仕事が多くて、事務所で残業をした)
      【注】一般にbecauseは客観的なことがらに対して直接的で明白な原因や理由を示すときに用います。Sinceやasはbecauseのようなはっきりとした因果関係よりもむしろ偶然的な理由を示すことが多く、とくにasには「たまたま」の感じがあります。
      since、asは文頭によく用いられ、becauseは文の後半によく置かれます(ただしWhy疑問文に対する答えの文では文頭に置きます)。
      Why is he absent from work? ―― Because he is ill.
      原因・理由を表す文語的表現として、sinceに対してはseeing (that) やconsidering (that)、またasにはnow (that) などの言い方もあります。
      Seeing〔Considering〕(that) he could not persuade the other members of the committee, he gave in.
      (委員会の他の委員を説得できなかったので、彼は譲歩した)
      Now (that) the weather has improved, we’ll be able to conduct operations again.
      (天候が好転したから作業を再開することができるだろう)
    3. 目的・結果を表すもの
      目的を表す接続詞には、so that・・・、in order that・・・(・・・するために)、for fear that〔lest〕・・・(・・・しないように)などがあります。
      We should read a wide variety of books so that〔in order that〕we may〔can〕broaden our horizons.
      (視野を広げるためには広汎多岐な読書をすべきである)
      Please advise him for fear (that)〔lest、in case〕he should fail in his business.
      (彼が仕事で失敗しないよう、どうか補佐してください)
      【注】in caseは「~の場合にそなえて」と目的を表すほか、「もし~ならば」の意味で条件も表します。
      結果を表すものには、so~that・・・(とても~なので、だから・・・)、such~that・・・(こんなに~なのでだから・・・)などがあります。
      I was so tired (that) I could not say anything.
      (=I was too tired to say anything.)
      (とても疲れて口もきけなかった)
      It’s such a good chance (that) we mustn’t miss it.
      (=It’s too good a chance to miss.)
      (それは絶好のチャンスだから逃してはならない)
      一般にsoのあとには形容詞または副詞が、suchのあとには(形容詞+)名詞が置かれます。
    4. 条件(仮定)を表すもの
      これにはif(もし~ならば)、unless(もし~でなければ)、if only(~でさえあれば)のほか、in case、provided (that)、supposing (that) などがあります。
      I want to take my holidays next week, if〔provided (that)〕nothing happens. (もし何事もなければ、私は来週休暇をとりたい)
      Unless you take better care of yourself, you will not live long.
      (もっと自分の体に気をつけないと、あなたは長生きしませんよ)
      If only I could remember the car’s number!(=I wish I could remember the car’s number!) (その車の番号だけでも思い出せたらなあ)
      Take these pills, in case〔if〕you feel sick on the boat.
      (船酔いするようなことがあったら、この丸薬を飲みなさい)
      Supposing (that)〔If〕he did do it, what difference would it make?
      (もし彼がやっていたら、どんな違いが生じただろうか)
      【注】条件を表す接続詞には、上にあげたもののほか、on condition (that)(~ならば、~の条件付きで)、as〔so〕long as(~さえすれば)、except that〔only〕(~さえなければ)などがあります。
      I’ll lend you the money on condition (that)〔provided (that)〕you return it within six months.
      (6ヵ月以内に返してくれるなら、その金をお貸ししましょう)
      As〔So〕long as they had plenty to eat and drink, the men were happy.
      (飲食物さえ十分にあれば、人々はよろこんでいた)
      I would come, except that〔only〕I am busy.
      (忙しくさえなければ参りますけれども)
    5. 譲歩・比較(比例)・様態を表すもの
      譲歩(~とはいえ、たとえ~でも)を表す接続詞にはthough、although、even though、if、even if、whether、while、asなどがあります。
      (Al)though〔Even though〕he hadn’t eaten for days, he looked strong and healthy.
      (何日も食べていなかったけれど、彼はしっかりとして元気だった)
      If〔Even if〕it takes me many weeks, I’m determined to finish the job.
      (たとえ何週間かかっても、その仕事はやり遂げる覚悟です)
      You’ll have to pay, whether you like it or not.
      (いやが応でも払ってもらわねばならない)
      While〔Whereas〕I have plenty of frozen assets, I am hard pressed for cash.
      (凍結財産は十分にあるのだが、現金には困っている)
      Young as (=though) he was, he supported all the family.
      (彼は若いながら、家族のみんなを養った)
      【注】althoughはthoughと同義語ですが、thoughよりはやや文語的で形式ばった文体で用いられます。またeven thoughのような連語ではthoughの代わりに用いることはできません。
      譲歩を表すasの前には、形容詞のほか副詞・名詞も置かれます(文語体)。名詞の場合は冠詞はつけません。
      Veteran as he was (=Though he was a veteran), he still had to work hard to save the situation. (ベテランの彼も事態の収拾には苦労した)
      上記接続詞のほかgranted (that) や既述の複合関係詞(-(so)ever)も譲歩を表します。
      Granted (that) this is true, what can be concluded from it?
      (これが事実だとしても、だからどうなるというのですか)
      比較(比例)を表す接続詞にはas(~につれて)、as〔so〕~as(ほど~)、than(~よりも)などがあります。
      As he grew older, he became softer.
      (彼は年をとるにつれて、ますますおだやかになった)
      She worked as hard as any of the other employees in the company.
      (彼女は会社の他のどの従業員にも劣らぬほどよく働いた)
      This job is not soas〕easy as I expected.
      (この仕事は思ったほどやさしくはない)
      She writes French better than she speaks it.
      (彼女はフランス語を話すよりも書くほうがうまい)
      【注】原級および比較級による比較の言い方については「第13-章 比較」を参照してください。
      様態(仕方)を表す接続詞にはas、like(のように)、as if、as though(まるで~のように)、as~, so・・・(~のように・・・)などがあります。
      Do as you are told. (言われたとおりにやりなさい)
      She treats me as ifas though/like〕I was〔were〕a recruit.
      (彼女は私をまるで新入りのように扱う)
      As you want others to treat you, so you must treat others.
      (自分にしてほしいと思うように人にもしなければならない ―― ことわざ)
      【注】as ifとas thoughは意味も用法もほとんど同じで、事実に反する状態を述べる節を伴うのがふつうです。したがって、そのあとにくる動詞は仮定法の過去時制または過去完了時制を用い、be動詞はwere〔was〕となります。
      ただしその可能性が強く、自信がある場合には直説法の現在形を用いることもできます。たとえば、It seems as if he is coming. と言えば、was、wereの場合よりも「現在は来ていないが来る可能性が強い」ことを示しています。