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24-1 普通の命令法

命令法はいわゆる命令文において用いられ、命令・依頼・忠告・禁止などを表します。命令法の時制は現在時制にかぎられます。

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第24章 命令法

  1. 基本形式
    動詞は原形を用い、通例、主語のyouは省略されます。またふつう文尾には終止符〔.〕を打ちますが、強調の気分が強いときは感嘆符〔!〕をつけます。
    Wait a minute. (ちょっと待って)
    Be careful not to spill any. (こぼさないように気をつけなさい)
    【注】命令の調子を和らげるために、pleaseやwill〔won’t〕you? あるいは Would you? Would you mind -ing? などをつけ加えることがあります。この場合は命令というよりはむしろ依頼・勧誘の意味になります。
    以下の文は順毎にていねいな表現になります。
    Finish it as soon as possible. (なるべく早く終えてしまいなさい)
    →Finish it as soon as possible, please!
    Please finish it as soon as possible.〕
    Finish it as soon as possible, will you?
    Will you finish it as soon as possible?〕
    Finish it as soon as possible, won’t you?
    Won’t you finish it as soon as possible?〕
    Would you (please) finish it as soon as possible?
    Would you mind finishing it as soon as possible?
  2. 否定の命令(=禁止)
    「禁止」を表す文はふつうdo notまたはneverを用います。
    Do not walk on the grass. (芝生の上を歩かないでください)
    Do not touch the exhibits. (展示品には手をふれないでください)
    Don’t mention it. (それにはおよびません、どういたしまして)
    Never mind (about) the expense! (費用なんか気にするな)
  3. 強意の命令
    命令を強調するときはdoを文頭に加えます。その際doには強勢がおかれます。
    be quiet! (静かにして)
    try to come. (ぜひおいでください)
  4. 主語を明示する命令
    とくに命令の対象を明らかにしたいとき、あるいは主語に関心を求めようとするときには主語を表面に出して用いることもあります。この場合、呼びかけの気持ちで主語に強勢をおき、直説法と区別します。
    Éveryone please fasten your seat belt.
    (みなさん、座席のベルトをお締めください)
    Don’t yóu desert your post, Henry.
    (ヘンリー、君は自分の部署を離れてはいけないぞ)