好評連載コラム 実務翻訳のススメ

23-1 受動態の表す意味

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第23章 受動態の意味と用法

受動態は「~される」のように動作を表す場合と、「~されている」のように状態を表す場合とがあります。
$$
\begin{cases}
\text{The door was shut at ten every night. (ドアは毎晩朝10時にしまっていた)〔動作〕} \\
\text{The door was shut all day long. (ドアは一日中閉まっていた)〔状態〕} \\
\text{This letter was written by a famous politician. 〔動作〕} \\
\text{(この手紙はある著書は政治家によって書かれた)} \\
\text{This letter is written in easy English. 〔状態〕} \\
\text{(この手紙は平易な英語で書かれている)} \\
\end{cases}
$$

また受動態の意味を強調したいときにはbeのかわりに、「動作」ではbecome、get、growを、「状態」ではlie、remainなどを用いることがあります。

  1. とくに動作を強調する場合 ―― become、get、growなど
    中でもgetはきびきびした口語体に適した表現法で、ひんぱんに用いられます。
    All of us becamegot、grewexcited. (私たちはみんな興奮した)
    When I met him last year, he was not married yet. I don’t know when he got married.
    ( 去年彼に会ったとき、彼はまだ結婚していなかった。彼がいつ結婚したのか私は知らない)
    I’m getting thoroughly mixed up in my old age.
    (私も年をとってすっかり頭がぼけてきた)
    He got involved in an unexpected accident.
    (彼は不慮の事件に巻き込まれた)
  2. とくに状態を強調する場合 ―― lie、remain、rest、standなど
    Scraps of paper lay scattered about the room.
    (紙くずが部屋中に散らかっていた)
    Our house remained unoccupied at that time.
    (その時私たちの家は人手に渡らずに残っていた)
    You may rest assured that I will keep my promise.
    (約束は必ず守りますので安心してください)
    He stood accused of having neglected his work.
    (彼は職務怠慢のかどで非難をうけていた)