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17-6 may、might

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第17章 助動詞の用法

may、mightは許可・推量・可能性などを表します。Mightはmayの過去形ですが、直説法と仮定法に用いられます。

  1. 「may + 原形動詞」
    1. 許可:「~してもよい」
      May I borrow your car?” “Yes, you may. You may use my car freely.”
      ( 「お車をお借りしてもよいですか」)「はい、結構です。自由にお使いになってよろしいですよ」)
      【注1】mayには権威を認める意味があり、従って、1 相手に権威がある場合には尊敬を表し、2 話し手に権威がある場合には尊大な感じを与えます。そのため口語では、You may~のかわりにYou can~が好まれます。ただしMay I〔we〕~? は相手の許可を求めているので、Can I〔we〕~? よりもていねいな言い方になります。
      You canmay〕go with us if you like.
      (もし行きたければ一緒に行ってもいいですよ)

      $$
      \begin{cases}
      \text{Can we smoke here? ーくだけた言い方} \\
      \text{(ここでタバコを吸ってもよいですか)} \\
      \text{May we smoke here? ーていねいで儀礼的)} \\
      \end{cases}
      $$

      なお、May I〔we〕~? よりもさらに控え目で、ていねいな表現としてMight I〔we〕~? の言い方もあります。
      Might I ask your name?
      (おそれいりますがお名前をお伺いできましょうか)
      [注2]許可を表すmayの否定、すなわち「禁止」にはふつうmust not(~してはいけない)が用いられますが、ていねいな禁止(不許可)にはmay notを用いることもできます。
      May I come in? (入ってよろしいですか)

      $$
      \begin{cases}
      \text{Yes,you may. (はい、どうぞ)} \\
      \text{(ここでタバコを吸ってもよいですか)} \\
      \text{May we smoke here? ーていねいで儀礼的)} \\
      \end{cases}
      $$

    2. 可能性・認容:「~できる」「~してもさしつかえない」
      One may know someone by the company he keeps.
      (人はその交わる友によってわかる - ことわざ)
      It may be called an infringement of human rights.
      (それは人権侵害と言ってさしつかえない)
    3. 否定的推定・強い疑惑
      否定文・疑問文において、「~のはずがない」「よもや~だろうか」と否定的な推定や強い疑念を表します。
      なお、過去の事柄に対して否定的推定を述べる場合には「can (not) have + 過去分詞」の形を用います。
      Can it be true?” “No, it cannot be true.”
      (「一体それは本当だろうか」「いや、本当であるはずはない」)
      I cannot have spoken ill of him; it must have been somebody else who said it.
      ( 私が彼のことを悪く言ったはずはない。言ったのはだれかほかの人にちがいない)
      [注1]このmayの否定にはcannotが用いられます。
      You may say that he has done a great thing, but you cannot say that he has done much good.
      (彼が大事を成したとは言えても、大善を成したとは言えまい)
      [注2]may as well・・・as~の形で「~するくらいなら・・・したほうがよい」の意味を表す言い方もあります。
      You may as well not begin the work at all as begin it and stop in the middle.
      (仕事を始めて途中で止めるくらいなら、全くやらない方がよい)
    4. 譲歩:「~するとも」
      この場合mayはしばしば省略されることがあります。
      Whatever you (may) say, I will not change my mind.
      (きみがなんと言おうと、私は考えを変えない)
      However hard you (may) try, you cannot succeed.
      (どんなに一生懸命やったところでうまくは行かないよ)
    5. 目的:「~するために」(thatに導かれる構文において)
      We eat (in order) that we may live.
      (我々は生きんがために食べる)
      He works hard (so) that he may support his family.
      (彼は家族を養うためけんめいに働いている)
    6. 祈願:「~であるように(祈る)」
      I hope you may succeed. (きみの成功を祈る)
      May your firm get more and more prosperous!
      (貴社がますます発展されますように)
  2. 「might + 原形動詞」
    1. 過去の間接話法において
      should、would、couldの場合と同じように、間接話法において主節の動詞が過去のときは、時制の一致の原則により、mayのかわりにmightを用います(「話法」と「時制の一致」の章参照)。
      He told me that I might be right.
      (=He said to me, “You may be right.”)
      (「あなたのおっしゃる通りでしょう」と彼は私に言った)
      He said that he might have done it.
      (=He said, “I may have done it.”)
      (彼は自分がやったのかもしれないと言った)
    2. 仮定法の構文において
      現在・過去の事実に反すること、あるいは不可能なことを求めたり推量する場合で、現在では「might + 原形動詞」、過去では「might have + 過去分詞」の形を用います(「仮定法」の章参照)。
      If I might give an opinion, I would advise him to give up the attempt.
      ( 意見を述べることが許されるなら、その企画はやめにするよう彼に忠告するのだが)
      I might have been involved in the debt, if I had been a member of the group.
      ( もしそのグループの一員になっていたら、借金で首が回らなくなっていたかもしれない)
    3. 独立文において - ていねいな表現
      mayのかわりにmightを用いると、一層ていねいで控え目な希望や依頼・推量を表すことができます。その場合Will you? や pleaseを文尾に置くこともよくあります。
      You might just have a look at this book, will you?
      (ちょっとこの本をごらんになってはいかがですか)
      We have to think about the pollution our products might cause.
      (我々の製品がひきおこすかもしれない公害のことも考えなければならない)