第17章 助動詞の用法
do、does、didは否定文・疑問文・強調文などをつくるときに用いられます。なお3人称単数現在形ではdoes、過去時制の文ではdidを用います。
- 疑問文において
Do you make market surveys all the time?
(市場調査は絶えずなさいますか)
Does your company use computers?
(おたくの会社ではコンピュータを採り入れていますか)
Did you have a good time at the party?
(そのパーティは楽しかったですか)
【注意1】ふつう動詞がbe、haveのときは、疑問文においてdoは用いず、これらの動詞を主語の前に置きかえます。
Are you free on Sunday afternoon?
(日曜日の午後はおひまですか)
Have you (got) anyone to translate this into Japanese?
(これを日本語に訳せる人がおありですか)
【注意2】ただしhaveについては、「所有する」という意味ではなく、eat、drink、get、receive、experience、take、play、showなどの意味で用いられるときはdoを用います。
なおアメリカ英語では、完了時制は除き、「所有」を表す場合でも一般動詞扱いでdoを用います。
How many shares〔stocks〕do you have in the steel company?
(あなたはあの製鋼会社の株をどれだけ持っていますか)
【注意3】疑問詞を主語とする疑問文では、とくに動詞を強調したいとき以外はdoを用いません。
How many people signed the petition?
(その嘆願書に署名した人は何人ですか)
Who came to see you yesterday?
(だれかきのう君に会いに来たのかね ―― 会いに来たのは誰ですか)
―― 強調:Who did come to see you yesterday?
(きのう君に会いに来たのはいったい誰だ) - 否定文において
I don’t agree with you on that question.
(その問題に関しては私はあなたに賛成しない)
Don’t miss a single customer. (一人の客も逃してはならない)
[注1]beはふつうの否定文ではdoは用いませんが、否定の命令文ではdoを用います。
I am not afraid of mistakes. (私は失敗をおそれない)
Don’t be afraid of mistakes. (失敗をおそれるな)
[注2]haveは疑問文の場合と同様に、今日のアメリカ英語では一般動詞扱いでdo〔does、did〕notをつけます。
Our company doesn’t have any branches in this district.
(わが社はこの地区には支店は全くない) - 強調文において
とくに動詞を強調したいときには、動詞の原形の前に強勢のついたdo〔does、did〕をおくことがあります。
I dó sympathize with you. (心からきみに同情する)
Dó be careful in business! (仕事は念を入れてやりなさい) - 倒置構文において
副詞(句)が強調されて文頭に出るときは、do〔does、did〕を主語の前に置くことがあります。
Never did I see such a gorgeous flower.
(こんな豪華な花を私は見たことがない)
I don’t know him. Nor do I want to.
(私は彼を知らない、また知りたくもない) - 代動詞として
動詞の反復をさけるためにdo〔does、did〕を代用することがあります。これを代動詞と呼びますが、働きからいえば助動詞というより本動詞と言ったほうがよいかもしれません。
You speak English better than he does (=speaks English).
(あなたは彼よりもじょうずに英語を話す)
If you want to tell him, do it (=tell him).
(彼に言いたければ言いなさい)
Did you see him? - Yes, I did (=saw him).
(彼に会ったの - はい、会いました)
[注]応答語句として「わたしもそうです」の意味でSo do I. の言い方があります。否定文ではNor〔Neither〕do I. が用いられます。
“I wish we knew more of what’s going on.” “So do I.”
(「どうなっているのかもっと知りたいものだ」「私もそうです」)
“I didn’t see him.” “Nor〔Neither〕did I.”
(「ぼくは彼に会わなかった」「私も会いませんでした」)
ただし驚きや賛意を表すときは「So+主語+do」の語順になります。
“He works hard.”(「彼はよく働くね」)
“So〔Yes〕he does.”(「ほんとに全く」)
“So do I.”(「ぼくだってそうですよ」)