bothは2つのものについて「両方とも」の意味を表し、allは2つ以上のものについて、まとめて「すべて(の)」「全部(の)」の意味を表します。
bothはつねに複数として扱われ、allは通常は複数、特別の場合には単数として用いられます。
- bothの用法
- 代名詞、形容詞、副詞または接続詞として
Both of them are Japanese women.
(どちらも日本の女性です)
Both (the) sides of the street were crowded with people.
(通りの両側は群衆でいっぱいだった)
He was both honest and energetic.
(彼は正直で、働き者であった)
Both Honda and Nissan have built car assembly plants overseas.
(ホンダと日産はともに海外に自動車組立工場を建設した)
【注】both A and Bの形式では、AとBは同じ品詞の語または同じ形の語を使う必要があります。 - 部分否定として
「both+否定語」で「両方とも~とはかぎらない」という意味の部分否定を表します。
I do not know both of them.
(そのふたりとも知っているわけではない = ひとりなら知っている)
【注】両者の完全否定はnot eitherまたはneitherを用います。
I do not know either of them (=I know neither of them).
(私は彼等のどちらも知らない)
- 代名詞、形容詞、副詞または接続詞として
- allの用法
- (代)名詞として
(代)名詞として、「すべての人々」(all the people)の意味では複数扱い、「すべてのもの〔こと〕」(everything)の意味では単数扱いになります。
$$
\begin{cases}
\text{All were greatly impressed with his speech. } \\
\text{(彼の話に全員が多大な感銘を受けた)}\\
\text{All I wanted to say was this. } \\
\text{(私の言いたかったのはこれだけだ)}\\
\end{cases}
$$
allは次のように、前置詞と結合していくつか慣用句をつくることがあります。
at all(少しも、いったい、いやしくも)、for all(にもかかわらず)、
in all(全部で)、with all(がありながら)など。
“Thank you so much.” “Not at all (=You are welcome).”
(「どうもありがとう」「どういたしまして」)
With all his wealth, he is not happy.
(あんなに財産がありながら、彼はしあわせではない) - 形容詞として
「all+(of) the〔所有格の代名詞、指示形容詞〕」の形で、次にくる名詞を修飾します。
All (of) the members who came from many parts of the world attended the meeting.
(世界各地からやって来た全メンバーがその集いに列席した)
All (of) his books were burnt in the last fire.
(先日の火事で、彼の蔵書は全部焼けてしまった)
All of these imports are duty-free articles.
(これら輸入品はすべて免税品である)
allはこのほか複数名詞、物質名詞、抽象名詞、固有名詞の前について、「例外なく」「一切の」など強調的な意味を表します。
During his speech, they were all ears (=very eager to hear what he said).
(彼が話している間、人々は全身を耳にして彼の話に聞き入った)
All Japan was rejoicing at the news.
(日本中がこぞってその知らせに歓喜していた) - 副詞として:「全く」「全然」「完全に」「すっかり」
He says it is all right, but I think it is all wrong.
(彼は大丈夫だと言っているが、私は全くよくないと思う)
He traveled all over the world from March to April.
(彼は3月から4月にかけて世界中を旅行した) - 部分否定として
「all+否定語」で「すべてが~とはかぎらない」という意味の部分否定を表します。
All that glitters is not gold. ―― proverb
(輝くものがすべて金とはかぎらない ―― ことわざ)
【注】完全否定にはnot any、no、none、nothingなどを用います。
I don not know all〔everything〕about it.
(それについて私は全部知っているわけではない)(部分否定) I do not know anything about it. (=I know nothing about it.)
(それについて私はなにも知らない)(完全否定)
- (代)名詞として