好評連載コラム 実務翻訳のススメ

7-4 複合人称代名詞の用法

人称代名詞の所有格(1・2人称)または目的格(3人称)の後に-selfまたは-selvesをつけたものを複合人称代名詞と言います。
一般形はoneselfですが、人称と数によって次のように変化します。

人称・性 数 単 数 複 数
第 1 人 称 myself(私自身) ourselves(われわれ自身)
第 2 人 称 yourself(あなた自身) yourselves(あなたがた自身)
第3人称 男 性 himself(彼自身) themselves(彼ら自身)
女 性 herself(彼女自身)
中 性 itself(それ自身)

複合人称代名詞には、再帰的用法と強意的用法の二つがあります。

  1. 再帰的用法
    1. The man killed him. (あの男が彼を殺した man ≠ him)
    2. The man killed himself. (あの男は自殺した man = himself)
      上の例文1では、manとhimは別人ですが、2の例文ではmanとhimselfは同一人で、「自分自身を殺した」つまり「自殺した」という意味になります。このように他動詞の目的語がその主語自身である場合、これを再帰的用法と呼びます。
      なお、他動詞の目的語だけではなく、前置詞の目的語となって慣用的に成句をつくる場合もあります。
      He believes himself to be an intellectual. (彼は自分をインテリだと思っている)
      Please help yourself to the cake. (どうぞお菓子をお取りください)
      なお、他動詞の目的語だけではなく、前置詞の目的語となって慣用的に成句をつくる場合もあります。
      The door opened by itself. (ドアがひとりでに開いた)
  2. 強意的用法
    単独または名詞や代名詞と同格関係に立って、文意を強めるために用いられ、強いアクセントを置きます。
    The poor man was myself.
    (その哀れな男とは私自身であった)
    The president himself met us at the airport.
    (社長自ら私たちを空港に迎えてくれた)
    【注】複合人称代名詞には主格と目的格はありますが、所有格や-self’sのような言い方はありません。それで「~自身の〔もの〕」を表したいときはone’s ownの形を用います。
    I’m sorry, but I cannot cook my own meals.
    (残念ですが、私は自炊ができません)
    These stocks〔shares〕are my own.
    (この株券は私自身のものです)