好評連載コラム 実務翻訳のススメ

9-3 someとany

 

 

someとanyは意味的にもよく似ており、ふつう「いくらか、いくつか」の意味のほか、「だれか、なにか」などの意味も表します。
また一般にsomeは肯定文に、anyは否定文・疑問文に用いられると言われていますが、実際には、この原則があてはまらない場合が数多くあります。

 

  1. 肯定文におけるsomeとany
    肯定文では一般にsomeが多く用いられますが、譲歩の意味を含むときにはanyも用いられます。

    some : 「いくらか」、「何〔だれ、いつ、どこ〕か」
    We showed him some of our samples. (私たちは見本のいくつかを彼に示した)
    See you again some day. (いつかまたお会いしましょう)
    He lives somewhere in the suburbs. (彼は郊外のどこかに住んでいる)

    any : 「いくらでも」、「何〔だれ、いつ、どこ〕でも」
    Any amount of money you would spare would be appreciated.
    (あなたが残せた金はいくらであろうと貴いものだ)
    You may come (at) any time you like.
    (いつでも好きな時に来てよろしい)
  2. 否定文におけるsomeとany
    一般に否定文ではanyがよく用いられますが、someを用いる場合もあります。
    some : 「あるものは~でない、~でないものもある」(部分否定)
    Some people do not accept compulsory relocation orders.
    (強制的な転勤命令を受け入れない人もいる)
    any : 「何〔だれ、いつ、どこ〕も~ない」(完全否定)
    I don’t knowanyof these people. (私はこの人たちのだれも知らない)
    We cannot get such a good medicine anywhere.
    (こんな良薬はどこからも得られない)
    【注意】「全部が全部~というわけではない」と部分的に否定する言い方を部分否定といい、「すべて~ではない」と全面的に否定する言い方を完全否定といいます。
  3. 疑問文におけるsomeとany
    疑問文では一般にanyが用いられます。ただし、特殊な場合にはsomeが用いられることがあります。
    some : 肯定の答を予期したり、人にものをすすめたり依頼したりするとき
    Aren’t there some stamps in that drawer?
    (=There are some stamps in that drawer, aren’t there?またはThere are some stamps in that drawer, I am sure.)
    (その引出しに切手が入っているでしょう)
    Will you have some cake?(=Please have some cake.)
    (ケーキはいかがですか)
    any : 「いくつか、いくらか、何か、どんな」などの意味で、明白にyesまたはnoの答えを求める場合に用いられます。
    Are there any vice presidents in your company?
    (あなたの会社には、副社長が何人かいますか)
    Is there any water in the tank?
    (水槽には水が入っていますか)
    Do you have any time available?(=is there any time convenient for you?)
    (ご都合のよい時間がありますか)
  4. その他some、anyの注意すべき用法
    1. a certain(ある)、unknown(未知の)を表すsome ―― 単数名詞を修飾します。
      He went to some place in France last year.
      (去年彼はフランスの(どこか知らぬが)ある場所に行った)
      【注意】ただし、someに対してa certainは、自分で分かっていながらわざと言わないとき、または言う必要のない場合に用います。
      $$
      \begin{cases}
      \text{some gentleman (ある紳士―氏名不詳) } \\
      \text{a certain gentleman (某紳士ー特に名を秘す)} \\
      \end{cases}
      $$ $$
      \begin{cases}
      \text{Someone has taken it away.(誰かがそれを持って行った)} \\
      \text{A certain foreigner came to see me while I was out. } \\
      \text{(ある(知っている)外人が留守中に私を訪ねてきた)}\\
      \end{cases}
      $$


    2. about(およそ)を表すsome ―― 数詞とともに用います。
      This serious accident happened some fifty years ago.
      (この重大事件は50年ほど前に起きた)
      A little boy of some ten years of age stood up and gave his seat to the old lady.
      (10歳ばかりの少年が立ち上がって、その老婦人に席を譲った)
    3. 条件節とany
      anyはifなどで始まる条件節の中で用いられ、「何か、誰か、少しでも」などの意味を表します。
      If you want any of these magazines, I will lend you some.
      (この雑誌のどれか必要でしたらお貸ししましょう)
      If anyone comes, tell him that I am out.
      (もし誰かが来たら、私は留守だと言ってください)
      If you have any difficulty, ask me for help.
      (もし何か困ることがあれば、私に助けを求めてください)
      【注】条件節にsomeも使うことができますが、その時はanyより確実性が高いことを示します。
      If I find some, I will send it〔them〕to you.
      (あったら送りましょう)
      If I find any, I will send it〔them〕to you.
      (もしあったら送りましょう)
    4. some、anyの複合語 ―― somebody (someone)、anybody (anyone)、
      something、anythingなどがあり、これらはsome、anyの用法に準じます。
      Please send me somebodysomeone〕. (だれかを寄こしてください)
      AnybodyAnyone〕can use the camera. (そのカメラはだれでも使える)
      Something is wrong with the machine. (その機械はどこか故障している)
      Is there anything I can do for you?
      (なにかあなたにしてあげることがありますか)