好評連載コラム 実務翻訳のススメ

8-4 so

soは元来副詞ですが、しばしば代名詞としても用いられます。この場合、動詞の目的語・補語となって、前出の語句・内容を表します。

  1.  他動詞の目的語として
    think、believe、suppose、say、doなどの目的語になって、「そう思う」「そう言う」「そうする」などの意味を表します。
    “Is he coming?” ―― “I think so (=(that) he is coming).”
    (「彼は来ますか」 ―― 「そう思います」)
    Those who want to stay here a little longer may do so.
    (ここにもう少しいたい人はそうして(いて)もよろしい)
  2.  動詞の補語として
    beやbecomeなどの補語として、前に出た語句を受けます。
    “This is a delicate mechanism.” ―― “So it is.”
    (「これは精巧な機械ですね」 ―― 「ほんとうにそうですね」)
    He was not angry at first, but became so after a little while.
    (彼ははじめは怒っていなかったが、しばらくして怒りだした)
    【注意】soと述語動詞の位置関係によって、受ける意味が変わってきます。次の例に注意してください。
    He is serious. (彼は真面目だね)
    1. So he ís. (=Yes, he is serious. そのとおりです)
    2. So am Í. (=I am serious, too. ぼくだってそうですよ)
      1は「確かにそうだ」と相手のことばを認めたもので、isに強勢が置かれます。2は「~もまたそうだ」と相手のことばにない別の要素を加えたもので、I に強勢が置かれています。