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24-3 命令法の注意すべき用法

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第24章 命令法

以上のほか命令法は、1. and、orと結びついて条件を表したり、2. 譲歩や3. 提案・仮定を表すことがあります。また、4. 動詞を用いないで性急な命令を表すこともできます。

  1. 命令法 + and〔or〕
    「~しなさい、そうすれば〔さもないと〕」の意味で、実質的には条件節の働きをします。

    $$
    \begin{cases}
    \text{①Hurry up, and (=If you hurry up,)you will be in time.} \\
    \text{(急ぎなさい、そうすれば間に会うでしょう)} \\
    \text{②Hurry up, or (=If you don’t hurry up,)you will be late.} \\
    \text{(急ぎなさい、そうすれば間に会うでしょう)} \\\end{cases}
    $$
  2. 譲歩を表す命令法
    「たとえ~であっても」「いずれにしても」の意味で、そのあとに疑問詞またはasで始まる節を伴います。その際may、might、will、wouldなどの助動詞もよく併用します。
    Come what may (=Whatever may come), we are not afraid.
    (たとえ何が起きようと我々は恐れない)
    Try as you may (=However you may try), you won’t succeed.
    (どんなに一生懸命やってもうまくは行くまい)
    Let others say what they will
    (=Whatever others may say), I will do my duty.
    (人が何と言おうが、私は自分のすべきことはする)
  3. 提案・仮定を表す命令法
    supposeを文頭において、「~してはどうだ」とifに似た提案・仮定を表すことができます。
    Suppose (=If) you were in his place, what would you do?
    (もしあなたが彼の立場にあったら、どうなさいますか)
    またsuppose weの形でLet’sよりも強い仮定を表すことができます。
    Suppose we (=Let’s) take a holiday next week.
    (来週休暇をとろうではないか)
  4. 動詞を用いない命令表現
    口語では、性急な命令を表すのに動詞のかわりに副詞や名詞あるいは形容詞を用いることがあります。
    Away with you! (あっちへ行け、とっとと失せろ)
    All aboard! (みなさん、お乗りください〔出発です〕)
    Hats off!(=Take off hats!) (帽子をとれ)
    Silence, please. (ご静粛に)
    Attention, please.(お知らせします ―― 機〔車〕内放送など)
    Just a minute. (ちょっとお待ちください)
    Quiet!(静かに) Down! (すわれ ―― 犬などに)