第21章 動名詞の用法
動名詞は動詞から派生しているので、動詞と同様に補語・目的語や副詞(句)を伴うほか、受動形・完了形もつくることができます。
- 意味上の主語が表されない〔省略される〕場合
これには- 1.文の主語と一致するとき
- 2.一般の人々を表すとき
- 3.文脈から主語が何か推測できるとき
の3つの場合があげられます。 - 1.He is sure of succeeding(=He is sure that he will succeed.)
(彼は(自分が)成功するものと確信している) - 2.Wishful thinking will not achieve any results.
(切望しているだけでは、何もことは成就しない) - 3.Our mission is working as a bridge between suppliers and users of goods.
(我々の使命は、商品の供給者と使用者との間の架け橋として働くことである)
- 意味上の主語が明示される場合
動名詞の主語が文の主語と異なる場合、または動名詞そのものが文の主語となる場合には、原則として動名詞の意味上の主語は名詞・代名詞の所有格で表されます。
I am sure of his succeeding.
(=I am sure that he will succeed. = He is sure to succeed.)
(私は彼が成功するものと確信している → 上記(1)の①参照)
He objected to Mr. Tanaka(‘s) joining our party.
(彼は田中氏のわが党入党には異議を唱えた)
His handling of the situation was excellent.
(彼の時局の処理はみごとなものであった)
ただし、動名詞の意味上の主語が無生物や抽象名詞などの場合は、所有格は用いず、そのままの語形を用いるのがふつうです。
There is no possibility of any good coming out of it.
(そこから何か役に立つものが生じてくる見込みはない)
また口語においては、他動詞や前置詞の次では代名詞に目的格を用いる傾向があります。 この場合、目的格には強勢が置かれます。
What’s the use of mé (=my) speaking.
(私がしゃべっても何の役にも立ちません)
I don’t like hím talking so rudely.
(彼がそんなにぶしつけに話すのは気に入らない)