第21章 動名詞の用法
動名詞は現在分詞と同じく「動詞の原形 + ing」の形で表されますが、名称が示すように「動詞の要素をもった名詞」の働きをします。
動名詞にも単一形のほか受動形(being + 過去分詞)、完了形(having + 過去分詞)、完了受動形(having been + 過去分詞)の形があります。
[注]
現在分詞と動名詞の区別:両者は同じ形をしていますが、一般に現在分詞は「動詞 + 形容詞」、動名詞は「動詞 + 名詞」の働きをするので、文中の位置や文脈によってそれを識別することができます。
Look at that young man riding a motorbike. (モーターバイクに乗っているある若者をごらんなさい) |
〔現在分詞〕 |
His hobby is riding motorbikes. (彼の趣味はモーターバイクに乗ることなのです) |
〔動 名 詞〕 |
また複合語として次に名詞を伴う場合でも、現在分詞はその名詞の一時的な動作・状態を表すのに対し、動名詞は用途・目的を表します。なお強勢の置き場所も異なります。
現在分詞(~する、~している) | 動名詞(~するための) |
a slèeping líons(眠れる獅子) | a sléeping tàblet(睡眠剤) |
rùnning wáter (流れる水) | a rúnning còntest(競走) |
wòrking péople (働く人々) | wórking hòurs (労働時間) |
21-1 動名詞の名詞的性格
動名詞は名詞に準じて、主語・補語・目的語となり、また複数形になったり、冠詞・形容詞・所有格を付けることもできます。
- 主語として
Overworking is not good for both physical and mental health.
(働き過ぎは心身の健康によくない)
Rearing a large family is no easy task.
(大ぜいの家族を養っていくことは容易なわざではない)
[注]この場合不定詞と同じように形式主語のitを文頭に置くこともできますが、不定詞の場合ほど一般的ではありません。
It is (of) no use lending him money.
(彼に金を貸しても何ら益はない) - 補語として
My job is driving a taxi. (私の仕事はタクシーを運転することである)
His problem is never finishing his work.
(彼の問題点は仕事をやり通さないことだ) - 動詞・前置詞の目的語として
You should avoid whispering during the meeting.
(会議中私語は避けるべきだ)
We have started cultivating a market for our goods.
(私達は当商品の市場開拓に取りかかったところだ)
I am thinking about running an ad in the Times.
(私はタイムズ紙に広告を掲載することを考えている)
Japan was criticized for exporting recession and unemployment overseas.
(日本は海外に不景気と失業を輸出していると批判された)
[注]動詞の目的語となる場合、形式目的語のitを前に置くこともできますが、不定詞のときほど一般的ではありません。
I found it difficult reaching an agreement with him on prices.
(彼と価格で同意に達することは困難だとわかった) - 所有格形・複数形をとる動名詞
He likes managing only for managing’s sake.
(彼はただ管理のための管理が好きなだけだ)
You’d better watch his comings and goings to find out what he’s up to.
( 彼が何をたくらんでいるかを見破るには、彼の往来に注意を払った方がいいよ)
このほか複数形をとりうる主な動名詞:
beginning(始まり)、ending(終わり)、warning(警告)、saving(貯金)など - 冠詞・所有格・形容詞を伴う動名詞
I heard a knocking on the door. (ドアをたたく音が聞こえた)
Please forgive my plain speaking. (どうか私の無骨な言葉をお許しください)