第12章 副詞
副詞の主な働きは動詞や形容詞、あるいは他の副詞を修飾することですが、そのほか名詞や代名詞、句・節・文全体をも修飾することがあります。また副詞は名詞・形容詞・補語として用いられることもあります。
- 動詞を修飾する場合
Does stock in your company trade regularly?
(お宅の会社の株式は定期的に売買されていますか)
She always gets up at seven in the morning.
(彼女はいつも朝は7時に起きる)
【注意】上の文のget up(起きる)のように、副詞は動詞と密接に結びついて1語のような扱いをうけることがあります。 - 形容詞を修飾する場合
I am very glad to see you. (お会いできて大へんうれしいです)
It is awfully good of you. (本当にご親切さま、どうもありがとう) - 他の副詞を修飾する場合
A jet plane can fly much faster than a helicopter.
(ジェット機はヘリコプターよりはるかに速く飛べる)
Samples from the moon have been analyzed quite carefully.
(月からの試料は細心の注意を払って分析された) - 名詞・代名詞を修飾する場合 ―― ただし特定の副詞に限られます。
Even athletes sometimes fall ill. (頑健な人でも時には病気にかかる)
Only he knows about it. (彼しかそれは知らない) - 句を修飾する場合
He has traveled entirely around the world.
(彼は世界中くまなく旅行をしてきた)
The gate is opened exactly at nine.
(門は9時きっかりに開く) - 節を修飾する場合
I arrived soon after the train left.
(列車が出たあとすぐ私は到着した)
A man is truly happy only when he is in good health.
(人は健康なときにのみ本当にしあわせである) - 文全体を修飾する場合
Certainly you are in the wrong.
(確かに君の方がまちがっている)
Evidently he is opposed to my plan.
(彼が私の計画に反対なのは明らかである)
【注意】文全体を修飾する副詞(文修飾副詞)は上記の例のほか、probably(多分)、briefly(簡単に)、frankly(率直に)、surely(たしかに)、generally、happily、fortunately、possibly、neverなどがありますが、文中の位置によって、文全体を修飾する場合と文中の1語を修飾する場合とがあり、注意を要します。
He naturally expressed his thanks.
(彼が謝意を表したのは当然であった)〔文修飾〕 He expressed his thanks naturally.
(彼は素直に(気取らずに)感謝の気持ちを示した)〔語修飾〕
一般に語修飾副詞は「動詞(+名詞)」のあとに置かれることが多く、文修飾副詞は文頭または動詞の前によく置かれます。
また、文修飾副詞を含む文の多くは、文修飾副詞を形容詞になおして、It is(形)that・・・の構文に言いかえることができます。
He naturally expressed his thanks. = It is natural that he expressed his thanks. - 副詞が他の品詞あるいは補語に転用される場合
Now is the best time for me to speak.
(いまこそ私が話すべき絶好の機会だ)〔名 詞〕 He is going to lecture on Japan today and yesterday.
(彼は現在および過去の日本について講義してくれます)〔形容詞〕 Time is up. (時間切れだ) 〔補 語〕