以上、一般に「基本文型」と言われている文型について、その概略を説明しました。これらはいずれも「主語+動詞+・・・」の語順を根幹としたものですが、この形式とは異なった語順を持ちながら、日常しばしば用いられる重要文型として、Here is〔are〕・・・、There is〔are〕・・・、it・・・to~などがあります。
- Here is〔are〕+名詞 (「ここに~がある〔いる〕」)
Here are three CDs. (ここにCDが3枚ある) - There is〔are〕+(代)名詞+副詞(句) (「(どこそこに)~がある〔いる〕」
There are three CDs on the table. (テーブルの上にCDが3枚ある)
Apart from the chairman and the president, there are four executive managing directors, six managing directors and 15 directors.
(会長と社長のほかに、4人の専務と6人の常務と15人の取締役がいる)
【注】文頭のthereは「予備のthere」ともいわれ、日本語に訳す必要のないいわば形式上の主語で、実際の主語はbe動詞のあとにくる(代)名詞 ー 上の例文ではCDsです。be動詞の数は、そのあとにくる真主語である(代)名詞の数に一致します。
なお、here、thereについて、詳しくは「第12章 副詞」の項を参照してください。 - It is・・・+不定詞 (「-することは・・・である」)
It is not easy to know oneself. (自分自身を知ることは容易ではない) - It is・・・for+(代)名詞+不定詞 (「~が-することは・・・である」)
It is not unusual for a husband to relocate alone and live temporarily away from his family.
(夫が一人赴任して、一時的に家族から離れて暮らしているのは珍しいことではない) - S+V(think、find、makeなど)+it・・・+不定詞
I think it important to be always in time.
(私は時間にいつも遅れないことが大切だと思っている)
He makes it a rule to take a walk every day.
(彼は毎日散歩することに決めている) - S+V(think、find、makeなど)+it・・・for+(代)名詞+不定詞
We think it necessary for you to do it yourself.
(私達はあなたがそれを自分でやることが必要だと思う)
【注】(3)~(6)のitは「予備のit」といわれ、形式上の主語〔(3)、(4)〕または形式上の目的語〔(5)、(6)〕として用いられます。実際の主語・目的語は不定詞に導かれた句です。「第7章 人称代名詞の用法」の”itの特別用法”の項、および「第18章 不定詞の用法」も参照してください。