第20章 分詞構文
分詞が時・理由・条件その他を表す副詞節と同じような意味に用いられる場合、分詞を含む構文を分詞構文と呼びます。
具体的に言えば、従属節と主節とから成る構文を、分詞を用いて1つの単文にまとめるには、主節はそのままにしておき、
- 2節間の接続詞を取り除き
- 従節の動詞を分詞に換え
- 従節の主語は主節の主語と同一であればこれを省きます。
When I looked out (of) the window, I saw a car pull up at the gate.
→ Looking out (of) the window, I saw a car pull up at the gate.
(窓から外を見ると、車が門に止まるのがみえた)
Because he was sick in bed, he couldn’t attend the meeting.
→ Being sick in bed, he couldn’t attend the meeting.
(病気で寝ていたので、彼はその会には出席できなかった)
つまり分詞構文は、1個の分詞で「接続詞 + 主語 + 動詞」の意味を表す言い方であるとも言えるでしょう。
20-1 分詞構文の時制・態
分詞そのものは明確な時制を表しませんが、内容的にどの時制を表すかは文脈によって知ることができます。
- ふつうの現在分詞形 ―― 主節と同じ時制の動作
ただし従属節の動詞の部分が進行時制の場合はbe動詞は省略し、そのあとの現在分詞をそのまま先頭に立てるのがふつうです。
Living (=As I live) next door, I know him well.
(隣に住んでいるので、私は彼をよく知っている)〔現在〕 Walking (=When I was walking) along the street, I met an old friend of mine.
(街を歩いていたら昔の友人に出会った)〔過去〕 - 完了の分詞形 ――主節の時制より以前の動作
Having (=As I have) left my purse at home, I cannot buy it.
(財布を家に忘れてきたのでそれは買えない)
Never having (=As I had never) addressed a meeting before, I was very nervous. (会合でスピーチをやったことがなかったので、とてもあがった) - 受動態・完了受動態の分詞構文
この構文ではふつう文頭のbeingやhaving beenは省略します。
(Being) Burdened with financial troubles, I cannot take an active interest in business. (財政難に悩んでいて、仕事に乗り気が出ない)
(Having been) Printed in haste, the book has many mistakes.
(急いで印刷したので、その本には誤植が多い)