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10-1 疑問代名詞

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第10章 疑問代名詞〔形容詞・副詞〕の用法

「いつ、どこで、だれが、何を、どのように、・・・」のように、「疑問」の意味を表すことばを疑問詞と言います。これには、その内容と働きに応じて、疑問代名詞、疑問形容詞、疑問副詞の3種類があります。

疑問代名詞とは疑問の意味を表す代名詞で、who(だれ)、what(何)、which(どちら)の3つがあり、次のように格変化をします。

格 内容

人(だれ) 人・物(なに) 人・物(どちら)
格 内容
主 格 who ? what ? which ?
所有格 whose ? ―― ――
目的格 whom ? what ? which ?


【注1】what、whichは主格と目的格は同形ですが、what animal(何という動物)、which book(どちらの本)のように次に名詞を伴うときは、疑問形容詞と呼ばれます。
【注2】whoseは「だれの~」の意味のほか、単独に疑問を表す所有代名詞として、「だれのもの」の意味で使われることもあります。

  1. whoの用法
    whoは人名や血縁関係などをたずねる場合に用いられ、主格(who)、所有格(whose)、目的格(whom)の3つの格に変化します。
    1. 主格who
      1. 主語として
        Who makes the final decision on the proposal plan?
        ―― Usually a management executive does.
        (だれが案件に最終決定を下すのですか ―― 通常は役員です)
        【注】whoに限らず、疑問詞が主語として用いられる場合は語順は普通文と同じで、「疑問詞(+助動詞)+動詞・・・」になります。
      2. 補語として
        Who is that man? ―― He〔That〕is Mr. Sato, our president.
        (あの方はだれですか ―― 社長の佐藤です)
        Who are those men? ―― They are my relatives.
        (あの人達はだれですか ―― 私の親類です)
    2.  所有格whose
        1. 次に名詞を伴う場合 : 「だれの~」
          Whose bag is this? ―― It is my bag.
          (これはだれのカバンですか ―― 私のカバンです)
        2. 単独に用いられる場合 : 「だれのもの」(所有代名詞扱い)
          Whose are these books? ―― They are mine.
          (これらの本はだれのですか ―― 私のです)
    3. 目的格whom
      1. 他動詞の目的語として
        WhomWho〕are you going to entertain this evening?
        (今晩はだれを接待するおつもりですか)
      2.  前置詞の目的語として
        WhomWho〕are you waiting for?
        (だれを待っておいでですか)
        【注】上の(a)、(b)の例文で、疑問詞「だれ」はentertain、forの目的語になっているので、文法的にはwhomが正しいはずですが、実際には最近はwhomはあまり使われず、ほとんどwhoが使われています。
  2. whatの用法
    whatは人にも物にも用いられます。人の場合には特にその人の身分や社会的地位、職業をたずねるときに用いられます。whatには主格と目的格はありますが、所有格はありません。
    1. 主格として ―― whoと同じように、主語や補語として用いられます。
      What happens when the business has turned around?
      (景気が好転したらどうなるのですか)
      〔主語〕
      What is the average age of your employees?
      (あなたの会社の従業員の平均年齢はいくつですか)
      〔補語〕
    2. 目的格として ―― 他動詞・前置詞の目的語として用いられます。
      What do you do for a living? (お仕事はなにをなさっていますか)
      What does your firm deal with? (あなたの会社では何を扱っていますか)
  3. whichの用法
    whichはwhoやwhatと異なり、2つのものの中から「どちら」または3つ以上の限定されたものの中から「どれ」を選ぶかと問う言い方で、人にも物にも用いられます。
    whichもwhatと同様、所有格はありません。
    1. 主格として
      Which travels faster, light or sound?
      (光と音とどちらが速いですか)
      〔主語〕
      Which is the shortest way to the station?
      (駅へ行く一番の近道はどれですか)
      〔補語〕
    2. 目的格として
      Which do you like better, tea or coffee?
      (紅茶とコーヒーのどちらがお好きですか)
      Which did you hear from first, A company or B company?
      (A社とB社のどちらから先に便りをもらったのですか)