someとanyは意味的にもよく似ており、ふつう「いくらか、いくつか」の意味のほか、「だれか、なにか」などの意味も表します。
また一般にsomeは肯定文に、anyは否定文・疑問文に用いられると言われていますが、実際には、この原則があてはまらない場合が数多くあります。
- 肯定文におけるsomeとany
肯定文では一般にsomeが多く用いられますが、譲歩の意味を含むときにはanyも用いられます。
some : 「いくらか」、「何〔だれ、いつ、どこ〕か」
We showed him some of our samples. (私たちは見本のいくつかを彼に示した)
See you again some day. (いつかまたお会いしましょう)
He lives somewhere in the suburbs. (彼は郊外のどこかに住んでいる)
any : 「いくらでも」、「何〔だれ、いつ、どこ〕でも」
Any amount of money you would spare would be appreciated.
(あなたが残せた金はいくらであろうと貴いものだ)
You may come (at) any time you like.
(いつでも好きな時に来てよろしい) - 否定文におけるsomeとany
一般に否定文ではanyがよく用いられますが、someを用いる場合もあります。
some : 「あるものは~でない、~でないものもある」(部分否定)
Some people do not accept compulsory relocation orders.
(強制的な転勤命令を受け入れない人もいる)
any : 「何〔だれ、いつ、どこ〕も~ない」(完全否定)
I don’t knowanyof these people. (私はこの人たちのだれも知らない)
We cannot get such a good medicine anywhere.
(こんな良薬はどこからも得られない)
【注意】「全部が全部~というわけではない」と部分的に否定する言い方を部分否定といい、「すべて~ではない」と全面的に否定する言い方を完全否定といいます。 - 疑問文におけるsomeとany
疑問文では一般にanyが用いられます。ただし、特殊な場合にはsomeが用いられることがあります。
some : 肯定の答を予期したり、人にものをすすめたり依頼したりするとき
Aren’t there some stamps in that drawer?
(=There are some stamps in that drawer, aren’t there?またはThere are some stamps in that drawer, I am sure.)
(その引出しに切手が入っているでしょう)
Will you have some cake?(=Please have some cake.)
(ケーキはいかがですか)
any : 「いくつか、いくらか、何か、どんな」などの意味で、明白にyesまたはnoの答えを求める場合に用いられます。
Are there any vice presidents in your company?
(あなたの会社には、副社長が何人かいますか)
Is there any water in the tank?
(水槽には水が入っていますか)
Do you have any time available?(=is there any time convenient for you?)
(ご都合のよい時間がありますか) - その他some、anyの注意すべき用法
- a certain(ある)、unknown(未知の)を表すsome ―― 単数名詞を修飾します。
He went to some place in France last year.
(去年彼はフランスの(どこか知らぬが)ある場所に行った)
【注意】ただし、someに対してa certainは、自分で分かっていながらわざと言わないとき、または言う必要のない場合に用います。
$$
\begin{cases}
\text{some gentleman (ある紳士―氏名不詳) } \\
\text{a certain gentleman (某紳士ー特に名を秘す)} \\
\end{cases}
$$ $$
\begin{cases}
\text{Someone has taken it away.(誰かがそれを持って行った)} \\
\text{A certain foreigner came to see me while I was out. } \\
\text{(ある(知っている)外人が留守中に私を訪ねてきた)}\\
\end{cases}
$$ - about(およそ)を表すsome ―― 数詞とともに用います。
This serious accident happened some fifty years ago.
(この重大事件は50年ほど前に起きた)
A little boy of some ten years of age stood up and gave his seat to the old lady.
(10歳ばかりの少年が立ち上がって、その老婦人に席を譲った) - 条件節とany
anyはifなどで始まる条件節の中で用いられ、「何か、誰か、少しでも」などの意味を表します。
If you want any of these magazines, I will lend you some.
(この雑誌のどれか必要でしたらお貸ししましょう)
If anyone comes, tell him that I am out.
(もし誰かが来たら、私は留守だと言ってください)
If you have any difficulty, ask me for help.
(もし何か困ることがあれば、私に助けを求めてください)
【注】条件節にsomeも使うことができますが、その時はanyより確実性が高いことを示します。
If I find some, I will send it〔them〕to you.
(あったら送りましょう)
If I find any, I will send it〔them〕to you.
(もしあったら送りましょう) - some、anyの複合語 ―― somebody (someone)、anybody (anyone)、
something、anythingなどがあり、これらはsome、anyの用法に準じます。
Please send me somebody〔someone〕. (だれかを寄こしてください)
Anybody〔Anyone〕can use the camera. (そのカメラはだれでも使える)
Something is wrong with the machine. (その機械はどこか故障している)
Is there anything I can do for you?
(なにかあなたにしてあげることがありますか)
- a certain(ある)、unknown(未知の)を表すsome ―― 単数名詞を修飾します。