第14章 動詞の種類と活用
日本語の動詞には未然・連用・終止・連体・仮定・命令の6段にわたる語形変化がありますが、英語には原形・過去形・過去分詞形の3段の変化があります。
活用には、原形に-(e)dをつけて過去形・過去分詞をつくるもの(規則動詞)と、原形の母音部その他を独自に変化させて過去形・過去分詞形をつくるもの(不規則動詞)とがあります。
- 規則動詞の活用
- 語尾変化のしかた
- ふつうの場合 → 語尾に-edをつける。
acted、ended、finished、played、walkedなど - 原形が-eで終わる場合 → 語尾に-dだけをつける。
agreed、changed、educated、hoped、lovedなど - 語尾が「子音字+y」の場合 → yをiにかえて-edをつける。
cry → cried、deny → denied、study → studiedなど - 語尾が「1短母音字+1子音字」の場合 → その子音字を重ねて-edをつける。
beg〔beg〕→ begged、stop〔stp〕→ stoppedなど
したがって、母音字・子音字が2つ連続している場合には-edだけをつけます。
look〔luk〕→ looked、jump〔mp〕→ jumped - 最後の音節にアクセントがある2音節以上の語の場合 → 最後の子音字を重ねて-edをつける。
omítted、preférred、reférredなど
したがって、前の音節にアクセントのある語には-edだけをつけます。
éntered、límited、óffered、vísitedなど
なお、語尾が-cで終わる語はkを加えてから-edをつけます。
mímic(まねる)→ mimicked、pícnic → picnicked
- ふつうの場合 → 語尾に-edをつける。
- -(e)dの発音
- 〔d〕:原形が〔d〕以外の有声音で終わる場合
called〔k:ld〕、dined〔daind〕、lived〔livd〕など - 〔t〕:原形が〔t〕以外の無声音で終わる場合
liked〔laikt〕、reached〔ri:tt〕、washed〔wa〔〕t〕 - 〔id〕:原形が〔d〕、〔t〕で終わる場合
handed〔hǽndid〕、started〔stá:(r)tid〕など
【注意】原形が〔d〕、〔t〕で終わっていない語でも、形容詞化した過去分詞の-edは〔id〕と発音されることがあります。
aged〔éidid〕(年老いた)、 learned〔l:(r)nid〕(学識のある)、
ragged〔rǽgid〕(手荒い)など
- 〔d〕:原形が〔d〕以外の有声音で終わる場合
- 語尾変化のしかた
- 不規則動詞の活用
不規則動詞の総数は約200語(派生語を含めると約300語)といわれますが、その活用のしかたをみると、いくつか似た変化をするグループに分けることができます。- A-A-A型(原形・過去・過去分詞が同形のもの)
burst(裂ける) burst burst read〔ri:d〕(読む) read〔red〕 read〔red〕 - A-A-B型(原形と過去が同形のもの)
beat(打つ) beat beaten(beat) browbeat(威圧する) browbeat browbeaten - A-B-A型(原形と過去分詞が同形のもの)
come(来る) came come run(走る) ran run - A-B-B型(過去と過去分詞が同形のもの)
build(建てる) built built say〔sei〕(言う) said〔sed〕 said〔sed〕 - A-B-C型(原形・過去・過去分詞がみな異なるもの)
begin(始まる) began begun write(書く) wrote written - その他の型
- 2種の変化をするもの
burn(焼く) { burnt
burned{ burnt
burnedlight(火をつける) { lit
lighted{ lit
lighted - 助動詞 - 現在と過去だけで過去分詞はない
can(できる) could may(かもしれない、してもよい) might shall(~であろう) should will(~しよう) would dare(あえてする) dared
【注意】must、need、oughtには現在形しかありません。なお助動詞と時制との関係については、後続の「助動詞」の項であらためて説明します。
- 2種の変化をするもの
- A-A-A型(原形・過去・過去分詞が同形のもの)
- 活用のまぎらわしい動詞
英語の動詞の中には、形は同じでも一方はある語の原形、他方は別の語の過去形であったり(例:lay)、また原形は同一でもその意味のちがいから過去・過去分詞形が異なってくるもの(例:hang)など、まぎらわしい変化をするものがかなりあります。これらについては、よく文脈を検討し、慎重に識別する必要があります。
原形 過去形 過去分詞形 { bind しばる bound bound bound はね返る bounded bounded { fall 落ちる fell fallen fell 切り倒す felled felled { find 見出す found found found 建設する founded founded 飛ぶ { fly { 逃げる flew flown } fled fled flee 逃げる flow 流れる flowed flowed { grind すり砕く ground ground ground 基礎づける grounded grounded { hang 掛ける hung hung hang 絞殺する hanged hanged { lie 横たわる lay lain lay 横たえる laid laid lie うそをつく lied lied { rend rent rent rent rented rented seen { see 見る saw〔s:〕 sawn saw〔s:〕 縫う sawed (sawed) sew〔sou〕 のこぎりでひく sewed sewn sow〔sou〕 種子をまく sowed (sewed) sown { sit すわる sat sat set 据える set set { wind〔waind〕 巻く、うねる wound〔-au-〕 wound wound〔wu:nd〕 傷つける wounded〔-u:-〕 wounded