好評連載コラム 実務翻訳のススメ

文の転換・語順

  1. 英語の単文・複文・重文は、それぞれ内容の大意を変えずに互いに言い換えることができます。これを文の転換と言います。たとえば、「天候がとても悪かったので、定時に出発することはできなかった」は、
    1. The weather was too bad (for us) to leave at the scheduled time.
    2.  As the weather was very bad, we couldn’t leave at the scheduled time.
    3. The weather was very bad, so we couldn’t leave at the scheduled time.
      の3つの表現形式を用いることができます。構造的に言うと、1. は単文、2. は複文、3. は重文になります。
  2. また意味上分けた平叙文・疑問文・感嘆文なども、その大意を変えずに他の文に転換することが可能であり、さらに直説法と仮定法、能動態と受動態、直接話法と間接話法も相互に言い換えることができます。
  3. すでに学んできたように、日本語と英語には発想の違いから文中の語の配列順序に大きな差異が見られます。平叙文において、一般に主語(主題)は日・英ともに文頭に置かれるとしても、それ以下の語順はむしろ全く逆であるといっても言い過ぎではありません。たとえば




  4. さらに、こうした定型とは別に、話者のその時の心情や人間関係あるいは特殊状況によって通常の語順が倒置されたり、省略されたり、また一見無関係なことばがそう入されることも珍しくありません。