第6章 冠詞
- 冠詞は名詞の前に置かれるのが原則ですが、名詞の前に形容詞または副詞がくるときは、そのすべての語の先頭におかれます。
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冠詞+名詞 a〔the〕story -
冠詞+形容詞+名詞 an〔the〕interesting story -
冠詞+副詞+形容詞+名詞 a〔the〕very interesting story
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- 次の場合には、形容詞のあとに冠詞をおきます。
- many a ~:「数々の~」(文語的)
Many a man has failed. (失敗した人も多い)
many a year = many years
many a time = time and (time) again (いくたびも) - such a ~:「こんな、そんな~」
I am not such a fool as to believe that.
(それを信じるほど〔そんな〕ばかではない) - what a ~:「なんと~」
What a (fine) view! (なんという(美しい)景色) - half a〔the〕:「半分の~」
half a mile (半マイル)、 half an hour (半時間)
half the distance (その半分の距離)
ただし、アメリカではhalf a mileをa half mileとも言います。 - all the ~:「すべての~、~はみんな」
All the people seem happy. (人々はみんなしあわせそうに思える)
The same rate is applied to all the employees.
(一律の基準がすべての従業員に適用される) - both the ~:「両方の~、~は両方とも」
Both the parents are in good health. (両親はともに健在です)
- many a ~:「数々の~」(文語的)
- 次のような場合には、副詞のあとに冠詞をおくことがあります。
- rather a ~:「幾分~」
rather a warm place (少し暖かい場所) - quite a〔the〕~:「全く~」
quite a warm place (全く暖かい場所)
I thought quite the opposite. (私は正反対に考えた) - only a ~:「ただ~だけの」
only a warm place (ただ暖かいだけの場所)
【注】rather、quiteはその前に冠詞が置かれることがあります。
a rather kind man a quite rich man
- rather a ~:「幾分~」
- 2個以上の名詞を並列するとき、冠詞を反復するかしないかによって、意味が異なってきます。
$$
\begin{cases}
\text{I have visited the poet and novelist. (ひとり)} \\
\text{(私は詩人でもあり小説家でもあるその人を訪ねたことがある)} \\
\text{I have visited the poet and the novelist. (ふたり)}\\
\text{(私はその詩人とその小説家とを訪ねたことがある)} \\
\end{cases}
$$ $$
\begin{cases}
\text{He keeps a white and black dog. (1匹)} \\
\text{(彼は白と黒の混じった犬を飼っている)} \\
\text{He keeps a white and a black dog. (2匹) } \\
\text{(彼は白い犬と黒い犬を飼っている)}\\
\end{cases}
$$
【注1】意味が明瞭で紛らわしくなければ、この原則もしばしば無視されます。
I met a man and woman. (私はある男性と女性に会った)
【注2】2個以上の名詞が1組になって用いられているときは、初めの語にだけ冠詞をつけます。a cup and saucer (受け皿つき茶わん)
a watch and chain (鎖つきの時計)
the President and First Lady (大統領夫妻)
the bride and bridegroom (新郎・新婦)